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【今さら聞けない】米中貿易摩擦、ファーウェイ排除とは?何が問題なの?中国vsアメリカ

 今回は米中貿易摩擦についての記事を書きたいと思います。最近テレビや新聞などでよく取り上げられる「米中貿易摩擦」という言葉ですが、これを具体的に説明できますか?

 また、「アメリカが中国企業のファーウェイに対する制裁措置を強化した」これについても詳しく説明していきたいと思います。

 今回の記事を読んでくださった方は、最後に「米中貿易摩擦とは何か」、「アメリカのファーウェイ制裁」とは何か、この2点について理解してくださると幸いです。

米中貿易摩擦

 まずは米中貿易摩擦についてですが、事の発端は2018年にまで遡ります。まず前提として、アメリカのトランプ大統領の思惑としては、中国の経済的、技術的台頭に対する懸念で、中国に世界の覇権を握らせたくないという考えがあります。

 そこで2018年7月に、アメリカは中国製品の産業機械や電子部品などを対象に340億ドル規模の関税を課すことを決めました。

 その理由としては、トランプ大統領は中国から物がアメリカにたくさん入ってきている事態を問題だと考えたためです。関税がかかるということは商品の値段が高くなるわけですから、関税をかけることで中国からわざわざ高い物を買うよりアメリカに工場を作って生産するようになることを期待したわけです。中国から物を買うのをやめてアメリカに工場ができればそこで雇用も生まれ、経済が活性化することも期待していました。

 ただ、これに黙っていないのが中国です。関税で圧力をかけて中国が輸出を減らしたりアメリカからさらに物を買うようになることを期待したアメリカでしたが、これは中国にとっては全くの逆効果で、中国はこれに対して猛反発報復措置を取るようになり、同じようにアメリカから輸入していた商品に500億ドル相当の関税をかけました。

 さらにそれに対抗するようにアメリカは2018年8月にも半導体などに160億ドル相当の関税を追加で課すことを決めました。

 中国も同じく2018年9月に600億ドル相当の関税を追加で課しました。この時点でアメリカ側は中国に対して輸入品の50%、中国側はアメリカに対して輸入品の70%に関税をかけました。

 米連邦準備理事会(FRB)は2019年に発表した論文の中で、米中貿易摩擦などがもたらす不確実性が企業活動にマイナスに働き、2020年初頭にかけて世界全体で8500億ドル(約91兆円)の損失があるのではないかと予測していました。

 このように、報復合戦とも呼べるアメリカと中国の戦いが米中貿易摩擦です。

ファーウェイへの制裁

 皆さんはファーウェイという会社をご存知でしょうか。ファーウェイ(華為)とは中国の通信機器メーカーの会社で、中国の4大企業BATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)の1つにも数えられる大企業で、スマホのシェア世界一を誇っています。(2020年7月30日現在)

 2019年5月にトランプ大統領はファーウェイに対し米通信ネットワークからファーウェイの製品を排除する大統領令に署名しました。アメリカとしては、「ファーウェイがアメリカの安全保障や外交政策上で脅威となっている」という理由をつけています。

 また、ファーウェイは次世代高速通信”5G”の世界的な覇権争いの筆頭です。アメリカはどうしても中国企業に世界の覇権を握らせたくないという思惑があると考えられ、ファーウェイへの規制を強めました。2020年8月にはファーウェイやその子会社が設計や生産に関わらず、外国企業が製造を担っている半導体も、アメリカの製造装置を使っていれば輸出を制限することを決めました。簡単に言うと、アメリカのネットワークからファーウェイ製品を排除するということです。この動きが世界に広まってしまえば、ファーウェイは世界の覇権を握れなくなるということにも繋がります。

 これには大きな陰謀が隠されています。中国は元々、一帯一路(いったいいちろ)政策を進めており、ユーラシア大陸の様々な国にファーウェイ製の5G基地を設置し世界の覇権を握る目論見がありました。実は、ファーウェイが作るスマホなどには、台湾のTSMCという半導体生産受託大手が作る高性能な部品を必要としています。ただ、この規制によりファーウェイはこのTSMCの部品を使うことができなくなってしまいました。アメリカが、ファーウェイが世界の覇権を握ることを阻止した形です。

 TSMCはこの規制を受けて、代わりにアメリカに新工場を作りました。中国は慌てて別の半導体受託メーカーに投資していますが、TSMCが持つ技術に追いつくには早くても5年かかると言われています。

EUの動き

7月にはEUもファーウェイを排除することを発表しました。これにはアメリカからの強い要請もあったと考えられますが、2027年までにファーウェイを完全に排除することを発表しました。実はフランスやイギリスなどの国は、ファーウェイによる5G基地局の整備を進める動きを見せていましたが、ファーウェイ排斥へ舵を切り、代わりにノキアやエリクソンの製品を購入することになりました。

 (ファーウェイによるインフラ整備を元々認めていたEU諸国にとって、ファーウェイを完全に排除することは元々作っていた基地局を取り替えたり製品を買い直したりで莫大な費用がかかり、その分5G実用化も遅くなるため、本心としては排除はしたくなかったのではないかと考えられます。しかし香港問題などによる世界情勢を加味すると中国の見方をするよりアメリカの肩を持った方が賢明だと考えたのではないでしょうか。)

日本への影響は?今後の展望

 最も懸念すべきなのは日本への影響ではないでしょうか。アメリカと中国の話だから日本には関係ないかと思う方も多いかもしれませんが、日本企業への影響は必至です。ファーウェイは1兆円超の電子部品を毎年日本企業から調達しており、特にメーカーへの影響は免れないと思います。これからの企業に求められるのは時代の流れを最速でキャッチしその流れに合わせた経営戦略をとることだと考えます。

 安倍首相が辞任し、次の首相が誰になるかはまだ決まっていませんが、(2020年9月8日現在)これから日本としても中国を味方にするかアメリカを味方にするかは非常に大事になってくるかと思います。

 現在の外交を見ると日中関係はだんだん回復の兆しを見せていますが、日本はアメリカと唯一の同盟国ですのでアメリカからの要請があればそれには逆らえないと思います。秋にはアメリカの大統領選も控えていますが、トランプ大統領が現任である以上米中のまさに冷戦の再来とも言えるような構図を良い方向に変えることは困難極まりないと思いますし、まさに現在日本の外交の手腕が注目されるところでもあります。

まとめ

 「米中貿易摩擦」と「ファーウェイ排除問題」についてお分かりいただけたでしょうか。簡単にまとめると、米中貿易摩擦は2018年からアメリカと中国がお互いの輸入品に対して関税をかけあうことで生まれた軋轢のことで、ファーウェイ排除問題は、アメリカが中国に5Gの世界での覇権を握らせたくないという思惑からファーウェイに対しての締め付けを強めており、EUなどもそれに賛同しているという現状です。

 米中問題は非常に移り変わりが激しい問題ですので、常に最新の動向を見続ける必要があります。最後まで読んでくださってありがとうございました!

 

ABOUT ME
げんぼー
大阪出身の20歳大学生です。大学から中国語の勉強を始め、1年生の夏休みに中国の蘇州へ短期留学をして、台湾の大学へ1年間交換留学をしました。 旅をすることが好きで、台湾本島一周や中国大陸横断ひとり旅なども経験しました。このブログでは、台湾の情報について主に紹介していこうと思います!少しでも読者さまにとって有益な記事を書けるように努めたいと思います!趣味はプロ野球観戦と写真撮影です! インスタグラムでは中国語話者向けに日本語を、日本人向けに中国語を教えるアカウントを始めました!よければそちらもご覧ください! @genbo_japanese HSK6級/TOEIC850点/英検準一級