歴史・時事

集団的自衛権とは?個別的自衛権との違い、集団的自衛権はなぜ必要なのか。

 昨日は憲法改正についての記事を書きましたが、今回はそれに関わってくる「集団的自衛権とは何か」を詳しく解説したいと思います。また、集団的自衛権と個別的自衛権との違いについて、そしてなぜ集団的自衛権は必要なのかについても説明します。

この記事の目的

・集団的自衛権が何かを具体的に説明する

・集団的自衛権と個別的自衛権の違いを説明する

・この集団的自衛権の何が問題なのかを説明する

自衛権とは

 そもそも自衛権とは何か。から説明していきたいと思います。自衛権とは、他国からの侵害を防ぐために武力を行使することができるという国際法上で認められている権利のことです。自衛権は「個別的自衛権」と「集団的自衛権」に分けられます。

個別的自衛権

 個別的自衛権とは、急迫不正の侵害を排除するために、武力行使を受けた国が防衛のため、自国を守る目的で武力を行使することができる権利のことです。

 例えばA国がB国から攻撃を受けた場合、この個別的自衛権を行使してA国はB国に武力を行使することができます。

集団的自衛権

 そしてよくニュースなどで耳にする集団的自衛権とは一体何なのかということですが、集団的自衛権とは、密接な関係にある他国が攻撃された場合、自国への攻撃がなくてもそれを自国への攻撃と判断し反撃することができる権利のことです。

 例えば、A国と密接な関係にあるB国がC国から攻撃を受けたとします。この場合、A国はC国からの直接的な攻撃は受けていませんが、これをA国への攻撃だとみなしA国はC国へ反撃することができます。これが集団的自衛権です。

自衛権は国連で認められた権利

 実は、この個別的自衛権と集団的自衛権ですが、国連の加盟国は国連憲章51条により、固有の権利であると認められています。つまり、国連加盟国は個別的自衛権と集団的自衛権を行使することが認められているのです。

 すなわち、国連加盟国である日本もこの権利を当然有することになります。ここで「日本も集団的自衛権使えるの?」と疑問を持たれた方も多いかと思います。日本はこの自衛権に対して独特な解釈をとってきました。

憲法9条

 日本国憲法9条はこのように規定されています。「(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」「(2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

 つまり、集団的自衛権は国際法上認められている権利なのですが、それは憲法に違反するため行使を容認しないという解釈を歴代の内閣はずっととり続けてきました。

 しかし、北朝鮮のミサイル問題や中国との尖閣諸島問題、韓国との竹島問題など、日本の安全を脅かす危険のある事態が近隣諸国で発生しています。これらの情勢を踏まえて、安倍晋三元総理大臣は発足後から集団的自衛権の行使を可能とする憲法の解釈改正に取り組んできました。

 ただ、もちろんこれには反対意見が伴います。「何でわざわざ他国との戦争に関与する必要があるの?自分から戦争に参加するの?」という意見が大多数だと思います。政府の見解では、情勢の変化により例え他国への攻撃であったとしても日本国民の安全を脅かす可能性がある、そのため集団的自衛権は必要な権利である。という立場を示しています。

平和安全法制整備法

 そこで安倍元総理は2015年9月19日に国会で平和安全法制整備法を成立させ、条件付きで集団的自衛権の限定的な行使を容認しました。

 その条件とは、

(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること

(2) これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと

(3) 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

防衛省ホームページより引用

 です。

集団的自衛権は本当に必要なのか?

 現在では先に述べた条件を満たした時のみ限定的に集団的自衛権を行使することが可能です。

 行使が容認される前、反対意見としては「憲法違反である」「戦争に関与することになる」という意見が多くあげられました。

 しかし、政府が集団的自衛権の行使を限定的に可能とした背景には、近隣諸国の軍事力の強化に伴い将来的に日本の安全が危ぶまれるため、集団的自衛権の行使ができることで戦争の抑止力に繋がるという考えがあります。集団的自衛権の行使を認めることは決して戦争を肯定しているわけではありませんし、自分から進んで戦争に行くためのものでもありません。

 集団的自衛権が必要か、不必要かは賛否が真っ二つに分かれる問題であり、必要か不必要かは個人の意見にもよりますので一概には言えませんが、そのような賛否があるということをご理解ください。

まとめ

 本日は集団的自衛権とは何か、そして個別的自衛権との違いは何かについて詳しく説明をしました。

 集団的自衛権の行使は条件付きで容認されましたが、今後進められるかもしれない憲法改正問題においても集団的自衛権は大きく関わってきます。そのため、憲法改正についての是非を決めるには当然集団的自衛権についての理解も深める必要があります。

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 今回の記事が多くの方に役立てれば幸いです。最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

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げんぼー
大阪出身の20歳大学生です。大学から中国語の勉強を始め、1年生の夏休みに中国の蘇州へ短期留学をして、台湾の大学へ1年間交換留学をしました。 旅をすることが好きで、台湾本島一周や中国大陸横断ひとり旅なども経験しました。このブログでは、台湾の情報について主に紹介していこうと思います!少しでも読者さまにとって有益な記事を書けるように努めたいと思います!趣味はプロ野球観戦と写真撮影です! インスタグラムでは中国語話者向けに日本語を、日本人向けに中国語を教えるアカウントを始めました!よければそちらもご覧ください! @genbo_japanese HSK6級/TOEIC850点/英検準一級