歴史・時事

「憲法9条と自衛隊について」憲法改正はなぜ必要?

 ニュースや新聞で「憲法改正」或いは「憲法9条に自衛隊を明記する」などを耳にしたことがあるかと思いますが、具体的になぜ憲法を変える必要があるのかについて上手く説明できますか?今回は憲法改正、自衛隊について丁寧に解説をしたいと思います。

この記事を読んでほしい人

・憲法改正のニュースがよく分からない人

・憲法改正について理解はしているが基本的なことから復習したい人

・ニュースや新聞が理解できるようになりたい人

憲法とは

 まず大前提として、そもそも憲法とは何か。ですが、憲法とは国の政治の基本を規定するもので、国民の権利や国家の統治に関わるものです。

 現在の日本の憲法は戦後、マッカーサーの草案を元に作られ、1946年に公布されました。「日本国憲法」といいます。日本国憲法は、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を三大基本原則としています。

 日本国憲法の以前には大日本帝国憲法という憲法がありましたが、これは1889年に作られたもので、現在の日本国憲法とは別です。

 憲法は法律よりも格上で、法律は憲法に明記されていることを具現化するために作られたものです。

 ただし、「勤労・納税・教育を受けさせること」が義務だと憲法に書かれていますが、勤労していないという理由で逮捕されることはありません。あくまで憲法は法律ではありませんので国民に対しての心構えを説くような位置付けです。

 また、憲法は国民個人に権利があることも書かれています。例えば、21条の表現の自由、22条の職業選択の自由などです。このように私たち国民に権利があるのは憲法があるからなのです。

 日本国憲法の特徴

 日本国憲法には大きな特徴があります。それは、制定されてから1度も改正されていないということです。ドイツの憲法は制定から既に60回以上、インドでは100回以上も改正されています。

 日本国憲法は改正することができないのかという話ですが、それは可能です。可能ですが、国民投票が必要です。

 日本国憲法第96条では、憲法の改正は国会で衆参各議員の総議員の3分の2以上の賛成を得た後、国民投票によって過半数の賛成が必要であると定められています。

憲法9条

 それでは、憲法9条とは何か。ですが、9条にはこのように書かれています。「(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」

 これは第二次世界大戦の戦禍への反省から、もう二度と戦争は繰り返してはいけないという決意のもと作られました。

 ここで注目していただきたいのが、2項に明記されている「戦力を保持しない」という規定です。日本には軍隊はありませんが、自衛隊はありますよね?軍隊と自衛隊って何が違うの?と考えたことはありませんか?

 日本は自衛隊を保持していますが、この自衛隊が憲法が否定する「戦力」に当たるのかどうかが議論され続けてきました。日本政府は自衛隊を戦力と定義しておらず、「必要最小限度の実力組織」と位置付けています。簡単に言うと、憲法で戦力は持ってはダメと書かれているので軍隊は持っていませんが、自衛隊は戦力ではなく必要最小限度の組織なので保持します。ということです。

 

自衛隊が書かれていない

 自衛隊とは、1950年の朝鮮戦争時に発足した警察予備隊が始まりで、その後、1954年に制定された自衛隊法によって陸海空の自衛隊が作られました。現在では地震や洪水被害などの自然災害の際に国民を救助する重要な役割も果たしています。

 さて、ここでお気づきになった方も多いと思いますが、この憲法9条に「自衛隊」という言葉は一言も出てきていないですよね?これが非常に問題で、憲法改正の論点の1つとして自衛隊を明記するかしないかという点にあります。

 現状では自衛隊を保持することは国民の生命や財産、その前提となる国の平和を守るためであり、憲法に矛盾しないという解釈がされています。しかし、今の憲法では自衛隊の存在が憲法に違反しないということが誰が見ても明確に分かるようにはなっていません

 考えてみれば、憲法の解釈が人それぞれだとしたら、自衛隊を持つことは戦力所持にあたるから憲法違反だ。という考えを持つ人もいれば、自衛隊は必要最小限の実力組織なので戦力ではないから所持してもいいと考える人がいますよね。

 自民党が自衛隊の存在を憲法9条に明記したい理由は、自衛隊の存在を明確化することで他国の戦争に対する抑止力、そして自衛隊員の誇りを高めることに繋がるためということが考えられます。また、憲法を改正し自衛隊を明記することができれば、もう憲法解釈の話で揉めることもなくなるでしょう。

 ただ、もちろん反対意見もあります。憲法9条改正の反対意見としては、自衛隊を明記することで戦争を助長することとなる、徴兵制が復活してしまう恐れがある、さらに他国との戦争に巻き込まれる可能性があるといった意見です。

 もちろん戦争を行うことなど絶対にあってはならないことです。しかし憲法改正は決して戦争を肯定するためではなく、憲法9条を改正することで他国に対する牽制(けんせい)、抑止力に繋げるためという考えがあります。また、日本国民を守ってくれる自衛隊を憲法に明記することは非常に大事であるという考えがあります。これは集団的自衛権と深く関わってくることですので、集団的自衛権についての記事はこちらをご覧ください。↓↓↓

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まとめ

 「日本は平和な国だ。」存命する戦争を経験した世代の方たちがどんどん少なくなっていく中でそのような言葉を耳にしたことがある方は多いかと思います。私も小学校で戦争のことについて学ぶ中で、日本は戦争を経験していますが、どこか戦争は遠い存在であるのではないかと感じていました。

 安倍元総理は憲法改正を推し進めていましたが、結局それは果たせずじまいでした。憲法は70年以上も前に作られたものですが、他国と同じように時代の流れに合わせて改正することも必要なのではないかと思います。憲法を改正するか、しないかは私たち国民が投票で決めることです。より多くの方が関心を持ってより良い方向へ向かっていければいいなと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

ABOUT ME
げんぼー
大阪出身の20歳大学生です。大学から中国語の勉強を始め、1年生の夏休みに中国の蘇州へ短期留学をして、台湾の大学へ1年間交換留学をしました。 旅をすることが好きで、台湾本島一周や中国大陸横断ひとり旅なども経験しました。このブログでは、台湾の情報について主に紹介していこうと思います!少しでも読者さまにとって有益な記事を書けるように努めたいと思います!趣味はプロ野球観戦と写真撮影です! インスタグラムでは中国語話者向けに日本語を、日本人向けに中国語を教えるアカウントを始めました!よければそちらもご覧ください! @genbo_japanese HSK6級/TOEIC850点/英検準一級