台湾

【時事】台湾ってどんな場所なの?国なのか、中国の一部なのか、台湾の国際的な立ち位置について歴史的観点を基に徹底的に解説します

 こんにちは、げんぼーです。さて、「台湾って国なの?中国の一部分なの?」という議論をよく耳にします。これは本当に複雑で難しい問題なのですが、日本人にとっても必ず理解しておかないといけない事情ですので、今回は台湾の国際的な立ち位置を歴史的観点を基に公平な立場で紹介したいと思います。

1895~1945年 日本の統治時代

 まず台湾に起こった歴史のうち日本との関わりが大きい重要な出来事がありました。1894年の日清戦争で日本が清に勝利し、翌年の講和条約(下関条約)で遼東半島や澎湖諸島とともに割譲されたのが台湾でした。当時は帝国主義の時代でしたので、負けた国が勝った国に領土を引き渡します。ただ、当時の台湾は気温は高く、衛生環境は最悪で病気が蔓延している荒れた地でした。清はそんな到底人が住めるような場所ではない台湾を日本に割譲したところで傷1つないと考えていました。

 しかし日本にとってみれば台湾は歴史上初めて獲得した植民地でしたので、後藤新平や新渡戸稲造などといった一流の人材を派遣して台湾の近代化を進めました。

 日本統治時代の台湾についてさらに詳しくまとめた記事はこちらをご覧ください。

 一流の人材を送り込んで近代化を進めた結果、台湾は当時のアジアで最高レベルの技術を持つ場所へと生まれ変わりました。

1945年 第二次世界大戦

 しかし、1945年の太平洋戦争で日本が戦争に敗れ、1951年のサンフランシスコ講和条約に基づいて台湾を含む全ての領土を放棄することになりました。

 日本の統治が終了した台湾はこれからどうなるのでしょうか?

 第二次世界大戦が起こる少し前の日中戦争が勃発した時、清(中国)には国民党と共産党の2大政党が存在していました。そして国民党蔣介石がリーダー)と共産党毛沢東がリーダー)が力を合わせて日本に対抗しました。(第二次国共合作)

 国民党は勢力が大きかったため前線で戦い、共産党は後ろから支援するという形をとっていました。

 しかし、日中戦争が終わり第二次世界大戦に突入すると今度は国民党と共産党が対立してしまいます。日中戦争で疲れ切った国民党は共産党の攻撃を受けるようになり、逃げ場を失います。そこで蔣介石率いる国民党は仕方なく「台湾へ逃げる」ことにしました。

1945年〜 国民党による支配

 そして蔣介石率いる国民党の兵士たちが次々と台湾へ逃れてきました。しかし、当時の台湾はすでに発展していて教育も充実しており、読み書きすらままならない国民党の兵士たちを見た台湾の人たちは失望し、こんな奴らに支配されるくらいなら日本の統治時代の方がマシだったと言ったそうです。これが台湾人が日本に統治されていたのに親日家が多いとされる理由の1つとも言われています。

 とは言っても、すでに日本は撤退しており、これからは国民党による支配が始まることになります。当然たくさんの反発が起こります。

 不満を募らせていた台湾の人たちは1947年2月28日に国民党に対するデモを起こしました。これが「2.28事件」と呼ばれる事件です。これに対して国民党は大量の市民を虐殺しました。具体的な人数は公表されていませんがその数は数万人にものぼるとされています。

1949年 中華人民共和国の建国

 1949年、共産党が国民党との争いに勝利し中華人民共和国が建国されました。共産党を率いていたのは毛沢東でしたので、「建国の父」として天安門に肖像画が飾られているのは有名ですね。(毛沢東が行なった政治についてはまた別の記事で紹介したいと思います。)

北京に行った時に撮った写真です

 

 国民党は中国大陸への再進出を狙っていましたが中国大陸にいることができなくなり、台湾でそのまま「中華民国」を名乗り、本当の中国はこっちの方だ。と主張しました。

 共産党の考えは台湾を含めて中国は1つ。国民党の考えとしては中国へ攻め込んで共産党を倒して中華民国を再建するというものでした。

 しかし、普通に考えて中華人民共和国は人口13億人を誇る大国ですので国民党が共産党を倒すことは不可能です。蔣介石が抱いた中華民国再建の夢は儚くも散ってしまうことになります。

 そのため、中国には中華人民共和国、台湾には中華民国という2つの国が存在する状態が現在まで続いています。

 ただ、ここで大事になってくるのが、「台湾にある中華民国を国として認めるか。」ということです。

日本と台湾には国交がない?

 驚く方もいるかもしれませんが、日本と台湾の間には正式な国交がありません。その理由は1972年9月に田中角栄首相が中華人民共和国と日中共同声明を結び、中華人民共和国と国交を正常化させたからです。

 中華人民共和国の言い分としては、台湾を含めて中国としているのに対して、台湾(中華民国)の言い分としては、中華民国こそが本当の中国だ。ということで日本は非常に難しい立場に立たされました。

 そこで日本はこのように言いました。

 「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_seimei.html

外務省ホームページより

  つまり、日本は、中華人民共和国が台湾は中華人民共和国の一部分だということを公式には認めていないが、それを十分理解し尊重する。という表現を使いました。

 そのため、日本は台湾を正式な国として認めておらず、現在日本と台湾の間には正式な国交はありませんが、渡航も自由にできますし、大使館はありませんがその代わりとなる場所も存在します。年間200万人以上の観光客が行き来する台湾は、経済的にも日本にとってとても大切な場所です。

 このように、日本を含めて、多くの国が台湾を国として認めていないのが現状です。「国と地域」という表現が使われるのはこのためです。

台湾は独立するのか?

 この曖昧な関係が現在まで続いており、現段階で正式に台湾は独立はしていません。ただ、現在の台湾の総統である蔡英文氏はこれからの台湾について「台湾独立」の姿勢を見せています。しかし、なかなか独立に踏み切れない理由があります。

 それは、中国共産党は台湾が独立の動きを見せれば軍事手段を取るという強気な姿勢を見せているからです。それに加えて、中国は台湾の経済を大きく支えている存在です。

 経済的には依存したいけど、独立したい。というのは習近平にとっては虫の良すぎる話なのでしょう。あくまでも中国共産党は台湾は中国の一部分だという主張ですので、これから台湾独立の動きが高まったとしても簡単にそれを認めるとは到底思えません。最悪の場合、戦争も起こりかねません。

 上の写真は台湾人の中国との関わり方についての3つの考え方です。台湾には独立を支持する人現状維持を支持する人中国と台湾の統一を支持する人がいます。

 現在台湾には主に民進党と国民党、2つの大きな政党があります。2020年1月の総統選で勝利したのは民進党蔡英文であり、蔡英文率いる民進党は「台湾独立」を支持する政党です。(蔡英文は台湾で生まれ育った本省人で、民進党は本省人が中心となって結成された党です)

蔡英文官方元首肖像照.png
蔡英文 (wikipediaより)

 それに対して韓國瑜率いる国民党は中国との関わりを強くしていくという考え方の政党です。多くの若者が民進党を支持する中、中国から台湾に移り住んで来た世代の人たちの多くは国民党を支持しています。

韓國瑜(wikipediaより)

 台湾人の友達に聞くと、「自分は台湾人であり、中国人ではない」と答える人がほとんどです。彼らに台湾は中国の一部分でしょ?なんていうと必ず喧嘩になります。逆も然りで中国人に台湾は台湾でしょ?というと「それは違う、台湾は中国の一部分だ」と言ってきます。

 これから台湾が独立の道を進むのか、現状維持を続けるのか、または中国統一を選ぶのかはこれから台湾人たちが民主主義で決めることです。我々はこれからの台湾の動向から目が離せません。少なくとも、台湾の歴史、そして国際的な立ち位置を勉強し理解することが大切です。この記事が少しでも多くの方の参考になれば幸いです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

ABOUT ME
げんぼー
大阪出身の20歳大学生です。大学から中国語の勉強を始め、1年生の夏休みに中国の蘇州へ短期留学をして、台湾の大学へ1年間交換留学をしました。 旅をすることが好きで、台湾本島一周や中国大陸横断ひとり旅なども経験しました。このブログでは、台湾の情報について主に紹介していこうと思います!少しでも読者さまにとって有益な記事を書けるように努めたいと思います!趣味はプロ野球観戦と写真撮影です! インスタグラムでは中国語話者向けに日本語を、日本人向けに中国語を教えるアカウントを始めました!よければそちらもご覧ください! @genbo_japanese HSK6級/TOEIC850点/英検準一級